中国でのネット規制

中国で暮らしているかは既にご存じの内容ですが、中国のインターネットには多くの規制があります。
まず、インターネット検疫です。

俗に「長城ファイアーウォール」と呼ばれ、外敵の侵入を防ぐ「万里の長城」に見立てた名称なのでしょう。

中国国内から外国のサイトへアクセスしようとすると、必ずこの検疫を通過します。
この検疫の中にあるアクセス制限データベースに該当しないサイトであれば正常にアクセスされ、サイトが表示されます。
もし、該当していれば、そこでアクセスが制限され、ページを表示できなくなります。

数ある規制の中の一部ですが、YouTube、Twitter、Googleの一部のサービス、fc2ブログ、また最近では、Amebloへも規制が掛った様です。台湾Yahoo、香港Yahooも、トップページは表示されるが、リンクをクリックしてもその先に進めないというような規制が掛っています。

中国から日本のサイトを見ようとすると、非常に遅く感じるのは、回線の太さの問題より、この検疫データベースでの検索時間の影響が大きいのです。
中国で暮らす日本人にとっては、非常に不便を感じるインターネット環境ですが、回避する方法が無い訳ではありません。

VPN(Virtual Private Network)の暗号技術を使う方法が一番快適なようです。
例えば、日本や香港、台湾などにVPNサーバーを立てて、そこを経由するという方法です。
VPNは一度接続されてしまえば、その後の流れるデータは暗号化されます。つまり、VPN間で流れるデータは、検疫で検索されないのです。

結果、体感速度も速く感じられ、規制を掛けているサイトの閲覧も可能になります。
若干専門的な話しになりますので、詳しい情報やサービスについては個別にお問い合わせ頂ければと思います。

アラブや北アフリカでのネット検疫の話しも話題になっておりますが、この様なデモ活動が今後中国でも広がって行くようであれば、ネット検疫はこれからもっと厳しくなることでしょう。

【この記事は、2011/3/4「中国ビジネスヘッドライン」で配信されたものです。】