今や多くの中国人も使っているiPhoneやAndroidの携帯電話やタブレット端末。これから迎える「4G」時代へ向けて、スマホをビジネスで使おう!
「紙と鉛筆さえあれば、どこでも仕事はできる!」昔、筆者の上司がいつもこんな事を言っていました。
しかし、今の時代、紙と鉛筆だけでは仕事はできません。今、私たちが仕事をするのに不可欠なのは「情報」だからです。少しでも早く情報をキャッチし、瞬時に判断することが近代のビジネススタイルです。
その為に人間は、電話・FAX、携帯電話、そしてE-mailなどを発明して来ました。そしてパソコンが登場し、情報を手軽に持ち運べるという利点を生かした、PDA (Personal Digital Assistant)という携帯情報端末が流行しました。
90年代後半。PDAは様々な形で多くの機種が市場に溢れ、有名なものでは、SHARPのザウルス、HPの200LX、Windows CEを搭載したカシオのカシオペア、そして「Palm」の登場で、PDAは現代のスマホにかなり近付きました。
しかし、PDAの最大の弱点は、通信機能が無かったことです。PHSなどの通信機器を個別に準備し接続しなければなりませんでした。ただ、当時の通信事情は速度が遅く、手軽にネットを使えるという現在には程遠いものでした。
2006年。これまでのGSMに変わり、W-CDMAを代表する3Gが登場し、Appleがこれを採用した「iPhone 3G」を発表したことが、スマホ時代へと一気に加速して来たのです。今や、SAMSUMGを代表するAndroid端末も価格が安くなり、中国市場でも一気に広がりました。
更に昨年、日本や香港などでは、LTEと言われる4Gサービスがスタートした事で、今後更にスマホは進化していくことになるでしょう。
では、スマホはビジネスにどう影響していくのでしょうか?残念ながら現在のiPhoneやAndroid端末は、コンシューマ向けに設計されているという事もあり、ゲームやちょっとしたビジネスアプリは出ているものの、ビジネス端末としてはまだまだ発展途上だと言えます。
せいぜいメールを見るとか、Googleカレンダーをリンクさせてスケジュール管理するぐらいしか使い道が有りません。クラウドを利用して、ドキュメントを持ち歩こうにも、一度読み込んだページを本体にキャッシュする仕様になっていないスマホでは、読み込みが遅く使い物にならないのです。
そこで期待されるのが、Windows 8端末です。携帯電話としては、既にNOKIAが販売を開始し、SAMSUNGも販売を予定しています。更に、タブレットも各社から発売されています。
Windows 8は、一度読み込んだページをキャッシュしてくれるので、iPadなどと比べれば、体感速度はかなり早く感じます。また、なんと言っても、ExcelやWord、PowerPointなどのデータをそのまま持って歩けるのです。また、Wi-Fiで社内LANに接続すれば、会社のサーバー内のデータも普通に閲覧できます。
更に最近では、会社の基幹システムや会計ソフトなども、どんどんブラウザ対応(BS型)されてきています。特別なソフトをインストールしなくとも、IEなどのブラウザだけで会社のシステムにアクセスができるようになります。
ブラウザのキャッシュが利用できるおかげで、良く見るページはアクセスが早くなり、さらに会社のLANも、会社のシステムも使える。もちろん、Windows用のソフトは基本的に全て使える。これこそ究極のモバイルビジネススタイルになります。
iPadやAndroidなどのタブレットではできなかったことが、Windows 8の登場で飛躍的に便利になるでしょう。
【この記事は、2013/5月号「香港・華南MONTHLY」に掲載されたものです。】