データベースとエクセルをもっと活用しよう!

システムを入れればいろんな分析もできる!そんなこと有りません。

システムを入れてもそのデータを活用しなければ意味が無い!そんな時、頼りになるのはMicrosoft Excel(以下、Excelと称す)です!Excelってすごいんですよ!

システム導入を検討されているお客様のお話しを聞くと、良く出てくるお話しが…

「Excelで管理表を作って運用しているが、知らない間にフォーマットを勝手に変えて使っていたり、同じようなコピーが複数作られていたりして、どれが正しいのか解らなくなってしまう。」とか、「入力しなければいけない所を端折ったり、重複して入力していたりして、管理表の役目を果たさなくなってしまう。」など、Excelでの管理に限界を感じているお話しを良く聞きます。

一方で、システムを導入したら、いろんな分析ができる!ボタン一発で見たい表がすぐにできる。など、過剰な期待を持っているお客様の声もよく聴きます。

更に言えば、今運用しているExcelのデータをシステムに自動的に取り込めるようにしてほしいという要望などもあり、InputとOutputを切り分けて考えていない。もしくは、逆に考えている方をよく見かけます。

ここで話を整理しましょう。なぜExcelで管理表を作ると、後々問題が出てくるのでしょう?それは、基本的にExcelには入力規制が無いからです。

例えば住所の入力欄に、「深圳」と入力する場合、「圳」は日本語に有りませんので、「深セン」と記入する人も出てきます。

「広州」は日本漢字なので、中国漢字では「广州」もしくは、「廣州」になります。

いずれもExcelは、別の文字だと認識してしまいます。

自分一人で使う分にはそれほど大きな問題は出ません。しかし、それを複数の人間で使うと、最初に表を作った人の思惑や概念が伝わらず、無視されて使われるようになるのです。つまりExcelは、複数人で扱うデータのInputには向かないのです。

一方システムはどうでしょう。

システムには、入力画面というものがあります。プルダウン型のリスト選択入力や、文字数の制限、必須入力、2バイト文字(全角文字)の入力規制など、入力欄一つ一つに規制を掛けられます。これをうまく使えば、上記の様な問題は防げるのです。つまり、Inputには最適と言えましょう。

ではOutputはどうでしょう?Excelで入力した入力規制の無いデータを使って、集計しようと思っても、結局先ほどの様な問題があり、思ったような集計結果が出ません。

一方システムでは、どのような集計画面が欲しいのか、どのような印刷物が欲しいのか、あらかじめ作り込む必要が有ります。導入してから変更したい。追加したいでは、多額のお金が掛ります。また開発には時間も掛るので、すぐには必要なものを出せません。

つまり、システムからのOutputには、あまり期待をしない方が良いと言えます。

では、Inputはシステムで、OutputはExcelで、と言うように切り分けて考えてはどうでしょう。データベースから必要な条件を絞り込み、システムでExcelに出力させます。出力されたデータは、入力規制によって正確なデータになっているので、それを使ってExcelで集計すれば、思い通りのグラフや集計表が出来上がります。

Excelのピボットテーブルを使えば、縦に並んだデータを、横に集計して表示したり、月毎の集計表を作ったりすることができます。

Inputでは入力の自由度が逆に仇となってしまうExcelでも、Outputではデータを自由に集計し、見易い形にまとめることができるという強みが有ります。

あらかじめマクロを組んでおけば、データベースから出力したデータを、マクロの実行一発で決まったフォーマットにOutputすることもできます。

Inputに適したシステムと、多様な形でOutputできるExcelを組み合わせて使えば、時間もコストも節約することができるのです。

【この記事は、2013/6月号「香港・華南MONTHLY」に掲載されたものです。】